夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
泣いても、「待って!」って叫んでも、もう振り向いてくれなかった。
俺が”あの人”を見た、最後の…記憶。
「っ……?!」
嫌だッ…!
思い出したく…ないっ……!!
今にもハッキリと浮かんでしまいそうな”あの人”の、顔。
心臓が鷲掴みされたみたいに痛くて、身体が急激に冷えていく。
「っ…ぁ……!く、ッ…はっ……ッ!」
「っ…ヴァロン!!」
迫ってくる恐怖に耐え切れずパニックになって…。
上手く呼吸が出来なくて、過呼吸を起こしそうになった俺の顔を、誰かが名前を呼びながら両手で包んでくれた。
「っ……?」
その温もりにそっと目を開けると…。
アカリが俺に口付けて、ゆっくりと息を吐いて、二酸化炭素を送ってくれていた。
……。
時が一瞬、止まった。
その時、不謹慎かも知れないけど…。
俺は、あの時の事を思い出した。