【完】DROP(ドロップ)
「あーーー、もう。また泣くっ」
困った俺は、ギュッと強く抱きしめて頭を撫でた。
ちょこっと顔を上げて
「圭矢が無視するから……」
って、何でそんな可愛い顔するわけ?
本気で怒るよ?
でも、怒れるはずもない俺は、正直に言ってしまう。
「ヤキモチだから。それくらいわかってよ」
素っ気無く言いつつも、一気に赤くなる顔。
こんな事……普通なら言いたくないんだよ。
「……ヤキモチ?」
キョトンとする雫に、半ば諦めのついた俺は素直に話す。
「そう。俺は一緒にバイトも出来ないし。
羨ましいなって。
一緒に居てあげれなくて……ごめんね?」
また大きな瞳に涙が潤む。
ポンポンと頭を撫でて、額にひとつキスを落とした。
唇にしたかったキスは、出来なくて。
「ここまで言わせないでよ……」
だって、まだアイツの事、聞いてないから。
そうだから、頑張って優しく笑って言ったんだ。