【完】DROP(ドロップ)
さっぱりわかんねー。
何で、奈央は俺にキスしたんだ?
何で、奈央がいなきゃ店に入れてもらえないんだ?
……。
だー!
「わかんねーーー!」
頭をガシガシ掻きながら、大声を出してしまった俺に大勢の笑い声が聞こえた。
「えっと……RIKUさん。そんなにこの問題難しいですかね?」
困惑した表情を浮かべる司会者。
あ。
俺、今クイズ番組の収録真っ只中だったんだ。
「あはは……。この問題難しいっすねー」
適当に誤魔化して、クイズに集中する。
あれ以来、どうも奈央の事ばっかり考えちまって、仕事が上手くいかない。
ストールだって渡せないままだし。
店には、本当に入れてもらえないし。
それに、1人で過ごしたくないって理由で一緒に居た女の子達とも何か一緒に居れない。
だから、仕方なくオフになるのを避け、1人で過ごさなきゃいけない時はマネージャーをと過ごしてる。
俺、一体どうしちまったんだよ。
「ちょっと、陸いい?」
クイズ番組の収録が終わり次の仕事へと移動した俺に、先に入っていた圭矢が声をかけた。