【完】DROP(ドロップ)
「ちょっと話ある」
後から腕を掴み、楽屋へと入って鍵を閉めた。
突然の事に、驚いた顔を見せ
「……陸?」
頼りない声を出す。
「どうした? 何か最近、変じゃね?」
そうだ、ここ最近可笑し過ぎるだろ。
俺を避けたり、仕事サボッたり。
「変なんかじゃないわよ」
さっきまでの不安そうな顔が、急にいつものしっかりした奈央の顔に変わってしまった。
「……奈央、ちゃん。好きな奴いるって本当?」
「は、はぁっ?」
「圭矢から聞いたんだけど、奈央ちゃんが悩んでたとか、好きな奴いるとか。
てか、俺全然知らなくて、ごめんな」
「同情なんていらないから」
いつもみたいに冷たくて。
だけどさ、昔はくだらない事でも相談してくれたじゃん。
「あのさぁ。俺、わかんねぇからハッキリ聞くわ。
何でキスしたの? 俺の事、好きなの?」
皆に詰め込まれてパンクしそうな頭の中が一気に軽くなった。
ただ、その言葉を聞いた奈央は、何故か大笑いしていたけど。