お稲荷様のお呼びです!
こんな人気のない場所で女子生徒が一人でいるなんて、おかしいとしか思われない。
すぐさま立ち上がって頭を下げる。
「ごっごめんなさい!」
「あ、いや、こちらこそぶつかって悪かった。怪我はないか?」
「お、お気になさらず!!大丈夫ですので!で、では!」
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ。
顔見られたかな??
どうしよう変な噂とか流れちゃったら……
大丈夫、きっと伊鞠くんとの会話は聞かれてない。
変な噂が流れるとしたら、私が誰もいない場所で何かをしていたって言う事だけ。
そんなの誰も興味なんか持たないし……すぐに収まる。
どうか私の穏やかな日常よ、戻ってきて。