お稲荷様のお呼びです!
も、もしかして心の声が聞かれてたりしちゃったり……!?
そ、そんな卑怯なことするなんて本当になんて神様なのよ!!
キュッと右手で左手首を抑えながら、小さく睨む。
もし聞いていたら、ハッキリ言います――やめてくださいよ!
むっとなった顔を元通りにしつつ教室に入る。
やっぱり来ている人はまだ少ない。
それでもいつものように授業開始のチャイムは、始まりを響かせる。
机の中から教科書とノートを取り出すと、授業担当の先生が教室に入ってきて余談をした後にすんなりと授業を進めていく。
何も……変わらない。
それなのに、どうしてこんなに胸騒ぎがするんだろう。