お稲荷様のお呼びです!


そんな私の様子を見てか男の子は小さく笑い出す。


動じないように唾を飲み込もうとしたけど、それはできなかった。


喉に突きつけられた鋭い大鎌の先が、呼吸をするのを止める。



「強がりなんていらない。あと安心しな。この空間には俺達2人きりだ」



気がつけば教室内にいるのに、みんなの動きがピタリと止まっている。


……時間が止まってるんだ。


周りに目を向けていると大鎌が、私の顔を徐々に上に上げるように角度を変えていく。


上を見上げれば男の子の顔がハッキリと見えた。





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