ワケありルームシェア
「そう言えば、螢のおべんと、むぐっ。」
「うるさい、黙って。」
きっと、“螢のお弁当澪月が作ってんのか?”的なことを言おうとしたんだろうが、澄が余計なことを言う前に口を抑える。
「いい?その事みんなには内緒だから。」
小声でそう呟くと首を縦に振る澄。
「っはぁ!死ぬかと思った。」
「余計な事言わないで。」
「へぇ〜。つい………、うっかり口を滑らせないように努力してみるぜ。」
「…………………信用出来ないんだけど。」
「ま、澄君。内緒にしてね。」
「おう!」
対応が全く違う。でも、絶対信用ならない。
澄はたいていの場合、金絡みでないと信用ができないから。

「ねぇ、みっちゃん。今日さ、みっちゃんのバイト先に行ってもいい?」
「えっ、あっ、はい!いいですよ!」
急な問いに驚く哀川さん。
「僕も行きたいなぁ。ねぇ、莎駆。」
「うん。仕事、休む。」
「俺も気になるな。」
「私もです。」
1人が行きたいと言えば全員が行くことになる。
「ぜひ、みんな来てください!」
きっと哀川さんの“みんな”のなかには僕も澄も雨宮さんも含まれているんだろう。
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