無気力王子とじれ甘同居。



「あのさ、下心なしでこんなものプレゼントする男なんているわけないじゃん。ほんっと祐実ってバカだよな」


松下くんは呆れたように私を見上げてそういうけど、下から見るその顔でさえかっこよくて、やっぱりなんか調子が狂ってしまう。



「っていうかあいつの気持ちわかってんなら、それしてるの思わせぶりっていうし、祐実最低だよ」



「違うもん。松下くん間違ってる」


私と大貴の今まで過ごして来た時間を何も知らないのにペラペラしゃべりだす松下くんが憎い。


「もし本当にあいつの気持ちわかんないっていうならさ、幼馴染みとか思ってんの祐実だけなんじゃねーの?バカすぎでしょ」


「っ、そんなこと」


「わざわざ人に見せつけるよーに『今からデートだ』なんていうやつだもんな、相当嫉妬深いんだろ、あいつ。こんなものまでつけさせてよ」



それって、放課後大貴が教室で私を迎えに来た時の話をしてるの?



「大貴は…私のことなんて」


「どーでもいい」


「はぁ?松下くんが言い出したんじゃない!どうでもいいって…」


なによ!

なによ!

なによ!


いつも自分勝手にペラペラ喋って。


人にお世話になってる身でありながら、遠慮もしない。

挙げ句の果てに、私と大貴のことにも口出ししてくるなんて、余計なお世話すぎっ!



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