エリート上司の過保護な独占愛
「いやだ。本城さんったら、こんな本読んでるんですかぁ? もしかしてこの本に書いてある通りに実践してるってことですか? あ~だから最近急におしゃれに目覚めたりしたんですね。やっと納得できました。なになに〝恋はみかけも大事です〟って確かにそうですよね。可愛くなったとたん大迫さんの態度なんてあからさまに変わったもん」

 馬鹿にしたような態度で沙衣をあざ笑う。きっと先ほどのことを根に持っているのだろう。

「返して」

 たしかにこの本の影響を受けた。けれどこんなにバカにされるようなことだろうか。

 怒りで、短い言葉しか出てこない。

「頑張りやの本城さんは恋愛もこうやって計算づくでするんですね。見事にひっかかった大迫さんってばかわいそう」

 そんなつもりなどない。振り向いてほしかったのはひとりだけだ。けれどあの本の通りに実践しているということは、他人の目に紗衣の行動は計算づくに見えるに違いない。

(・・・・・・やっぱり私、間違ってたのかな?)

 佑香に責められて、悪いことをしているような気になってしまった紗衣は黙り込んでしまう。そこに運悪く、他の社員が帰ってきた。
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