エリート上司の過保護な独占愛
「紗衣、そろそろデザートをどうぞ。俺その間にシャワー浴びてくる」

 立ち上がった裕貴は、さっさとバスルームに消えていく。ひとり残された紗衣は、心臓をドキドキとさせながらとりあえず落ち着こうと、大きく息を吐いた。

「落ち着いて・・・・・・とにかく落ち着いて」

 手元の水を飲み、胸のあたりを押さえた。裕貴はデザートを勧めていたが、なんだか急に胸がいっぱいになってしまってさっきまでの勢いはどこへやら、これ以上は何も入りそうにない。

(シャワーって・・・・・・まあ、あたりまえなんだろうけど)

 経験が皆無の紗衣にとっては、何があたり前なのか本当はよく分かっていない。知識はあるものの、そのあたりの細かい話は誰もしてくれないのだから仕方ない。

 ぐるぐると段取りを考えていると、バスルームから裕貴が出て来る気配を感じて顔を上げた。

「お先、紗衣もどうぞ」

「・・・・・・っ」

「紗衣?」

「あ。はい」

 はっとして、立ち上がる。思わず裕貴を見つめてしまっていた。なんて恥しいんだろう。緩んだバスローブから覗く胸もと、濡れた髪。立ち上るような色気にクラクラしてしまう。
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