エリート上司の過保護な独占愛
 小さいころ、家族に誕生日を祝ってもらった。学生時代には友達がお祝いをしてくれることもあった。社会人になると簡素化されてしまい、それでも周りで誕生日を知ってくれている人がお祝いをしてくれた。

 しかしそのどれとも違う。自分の恋人が祝ってくれることがこんなにも特別なことだと初めて分かった。

「ほら」

 感動してじっとテーブルの上を眺めている沙衣を、裕貴が自分の隣に座らせた。

「あの……なんて言っていいのか、すごく……うれしいです」

 喜びがあふれて、自然に笑顔になる。それを見た裕貴も笑みを返す。

「よかった……喜んでくれて。沙衣の誕生日を一緒に一緒にいられること、こうやってお祝いできることが俺もうれしい――誕生日おめでとう。沙衣」

「課長……ありがとうございます」

 ゆっくりと近づいてくる裕貴の顔、沙衣がゆっくりと目を閉じるとその瞬間に唇が重なる。

 一瞬ついばむように触れて、すぐに離れた……しかしその後、もう一度重なる。今度は熱く激しく。

 これまでも何度かキスをしてきた。なんとなくだけれど、少しは成長したように思っていた。

 しかしこれまでのキスとは様子が違う。裕貴の舌先が薄く開いた沙衣の口内に侵入した。すぐにとらえられた舌が絡み合う。情熱が流れ込んできて沙衣の体を熱くする。必死で裕貴の腕をつかみそれに応えた。
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