エリート上司の過保護な独占愛
「では、藤本さんよろしくお願いしますね」

 ユニヴェールの藤本からの電話を切った沙衣は、他の社員と情報を共有できるように、すぐに内容をプロジェクト推進シートに書き込んだ。

 本格的に動きだしてから、はや三ヶ月。当初の予定よりもハイスピードで話は進んでいった。これもメンバー全員の努力のたまものだ。

 あの日以来、みどりと接触することもあったが、裕貴の中できちんと過去の話になっているというならば、それ以上沙衣が何かを言うべきではない。

 何も感じないわけではない。けれど、裕貴からの言葉を聞いているおかげで、なんとか自分の中で折り合いをつけ、仕事だと割り切っていた。

 (彼を信じていればいいだけ)

 それにやはり彼女の提案は魅力的だった。藤本もみどりの出す案を聞く度に、目を輝かせている。

 ユニヴェールのためにも、この企画は絶対成功させなければならなかった。

 そんな忙しく過ごしている中、帰宅しようと駅に向かっている途中に、スマートフォンが着信を告げた。画面を確認すると見慣れない番号だったが、応答する。

「もしもし……?」

≪本城さんの携帯でしょうか? 桧山です≫

 思ってもいない人からの電話に一瞬驚いた。
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