エリート上司の過保護な独占愛
「はい。そうです……あの、何かあったんですか?」

 わざわざ個人所有の電話番号にまで連絡してくるくらいだ。何かトラブルがあったに違いない。心配で尋ねたが相手の声はいたって冷静だ。

≪私、あなたに話をしておきたいことがあるの。少しでいいのでお時間いただけないかしら? 今ミカドの近くまで来てるんだけど、これから会えないかしら?≫

「あの、大丈夫ですけど。会社に戻ってお話を伺いましょうか?」

 仕事の話ならば、職場でしたほうがいい。今は手元に資料も何も持っていないのだから。

≪いえ、あなたと話がしたいだけだから。駅前にカフェがあったわね。そこでお待ちしています≫

 一方的にそう言い切ると、電話はいきなり切れてしまった。

 みどりの言葉に違和感を覚えた。

(仕事の話でないなら、いったい何の話?)

 違和感が嫌な予感に変化したころ、沙衣は指定された店に到着した。
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