エリート上司の過保護な独占愛
 十九時過ぎ。全国チェーンのカフェは、混みあうこともなくすぐに席に座れた。入口からわかりやすい場所に座ると、みどりの到着を待つ。

 すると五分も立たないうちに、彼女が現れた。グレーのパンツスーツを着こなし、さっそうと店内に入ってくる。見事に洗練された彼女は否応にも目についた。

 沙衣が立ち上がって頭を下げると、さっそうとこちらに向かって歩いてきた。

「ごめんなさい。呼び出しておいて待たせるなんて」

「いえ。私も近くにいましたので」

 お互い席に着くと、みどりの注文に合わせてコーヒーを注文した。店員がいなくなると、すぐに話が始まった。

「単刀直入に聞くけど、あなた裕貴とつき合ってるの?」

「え?」

「あら、聞こえなかったかしら? 裕貴とつき合っているかどうか聞いたんだけど」

 威圧的な態度に、思わず黙り込んでしまった。その姿は紗衣が知っている彼女のイメージとかけ離れているからだ。

(どうして……こんなことを聞くんだろう?)

 嫌な予感に、胃がムカムカとしてくる。何をどう話せばいいのかわからず、紗衣は席を立つ。

「お仕事の話じゃないなら、私、帰ります」

 プライベートの話ならば、付き合う必要もない。それよりも何よりも頭の中に鳴り響くけたたましいほどの警鐘が、この場から逃げろと伝えてくる。

「あら、まだコーヒーも飲んでいないのに? それに、仕事に無関係だとは言ってないわよ」
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