エリート上司の過保護な独占愛
「沙衣、とってもいいよ。想像以上だわ。やっぱり私のセンスってば最高ね」

 自画自賛もいいところだが、沙衣も絵美の意見に賛成だ。たしかに自分では絶対選ばなかった色使いにデザインだった。

「本当に絵美さんのおかげです。あの、他のも着てみるので、ご意見いただけませんか?」

「もちろんよ。ほら、次はあのワンピース着て見せて」

 沙衣は絵美の言う通り、おちついたピンク色のワンピースを手にとった。甘くなりがちな色だったけれど、首元がVネックになっておりとろりとしたフォルムが女性らしさをうまく表現していた。

 ウエストがいい具合にシェイプされていて、身長の低い沙衣でも野暮ったくならない。

「これもすごくいいかも」

 絵美に見せても同意見だった。そらから次々と色々な服を試着した。どれも素敵だったが、手持ちの服にも合わせやすいものを数着選び、特に気に入ったワンピースは、絵美の勧めでその場で着ていくことにした。

「ありがとうございましたぁ~」

 店員の明るい声で送り出されたあと、化粧品のカウンターに移動した。とりあえず絵美のおすすめの化粧品を試してみる。

 クロスをかけられて、前髪をダッカールで止めてもらう。そして軽く化粧を落とすと、下地からメイクが始まった。

 (すごい……肌がきれいだな)

 美容のプロなのだ、きっと人一倍気をつけているに違いない。

「少し乾燥してますけど、それでも色も白くてキメも細かいですね。羨ましいです」

「いつもは、適当にしてるんですけど、ありがとうございます」

「〝適当〟でこのお肌を保たれているなら、お手入れすればもっときれいになりますよ」

 お世辞だとわかっていても、褒められるとやっぱりうれしいものである。
 
 沙衣がメイクをしてもらっている間、絵美も新作のチークが気に入ったようで、そうそうに支払いを済ませていた。
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