エリート上司の過保護な独占愛
 運よくすぐに席に座れた二人は、ランチのコースを注文して一息ついた。

「こんな短時間で、ここまでたくさんの買い物したの初めてです」

「そうだろうね。私は沙衣がうれしそうにしてるの見てうれしいよ。こんななら、もっと早くつき合わせるんだった」

 沙衣も新しい発見がたくさんあった。そして洋服やメイクを楽しむことですごく気分がウキウキしていることに気が付いた。

「私、今までもったいないことしていました。メイクやおしゃれって自分も楽しませることができるんですね」

「そうそう。自己満足って言う人もいるけど、自分ひとり満足させられないで、どうするのよ、ねぇ?」

 絵美の名言に、大きくうなずいた。

 ランチのアンティパストが運ばれてきた。食事が始まってからもおしゃべりは続く。

「で、課長とはあれから何かあったの?」

 やはり絵美の興味はそこだ。しかしこの一週間特に変わったことはなかった。

「一週間、仕事してたんですから、進展もなにもないですよ」

 沙衣の言葉に絵美は不満を浮かべた。

「何言ってるの、山下を見習いなさい!」

「山下って、私の席の前にいる山下さんですか?」

「そうよ、あの女子力モンスターったら、呼吸をするように恋をするのよ。いつでもどこでも恋愛モード。それがいい悪いは別として、あの子の恋への執念というか、エネルギーはとてつもないものだわ」

 確かに彼女の周りには、いつもピンク色のオーラが漂っている。いつも男性に気を使い、常に自分が女ってことを意識している。
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