エリート上司の過保護な独占愛
 こわばった声で謝罪をすると、席についてすぐに仕事を始めた。

 いつもと変わらない、いつもと同じ月曜日。

 さっきの出来事をなかったことにしようと、がむしゃらに仕事に集中した。そうしなければ、浅はかな考えをもった自分を恥じて、涙してしまいそうだった。

 月曜日の朝のルーティンワークを終えて、金曜日に持ち越した仕事から取り掛かる。見積書の作成や、在庫の確保に売上の計上。様々な仕事が次々に舞い込んできた。

「沙衣~、三番にユニヴェールから上迫さん宛てに電話なんだけど、対応お願いできる?」

「はい、わかりました」

 営業担当は日中ほとんど外出している。だから顧客の応対もアシスタントの沙衣の仕事だ。

「もしもし、お待たせいたしました。本城です」

≪あ、本城さんが出たってことは、上迫さん外出中?≫

 向こうもいつものことなので、特段驚くこともない。それに社内にいる沙衣が担当した方が、向こうの問い合わせに対する答えが早く出ることがある。

≪この間もらった見積もりの数字のことなんだけど、わかるかな?≫

「はい。少々お待ちくださいね」

 沙衣は自分が作った見積書をサーバーのデータファイルから呼び出す。

「先週の金曜日に御社にご提示したものですよね?」

≪あぁ、それそれ。そのことなんだけど、もう少し数が減りそうなんですよね。だから金額もその単価じゃ無理なんじゃないかなぁと思って≫

 確かに受注数によって割引率が変わる。このあたりは営業担当が上司と相談して決めることが多いので、沙衣が金額を回答するわけにはいかない。
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