エリート上司の過保護な独占愛
 そしてその週末――。

 五月の清々しい初夏の風を感じながら、郊外にあるキャンプ場にミカドの原料部の社員が集まっていた。

 毎年恒例のバーベキューは、原料部全体で行われる。家庭がある人は家族も連れてくるので、かなりの人数になる。

 買い出しの担当になっていた、紗衣と絵美を含む数人のグループが到着すると、先に来ていた人たちも手伝い、先発組が準備してくれているテントに荷物を運ぶ。

 紗衣も両手に荷物を持ち運ぶ。深緑色のタープを設置している裕貴の姿が見えて、ほんの少し胸がはずむ。
(この間みた私服より、もっとずっとラフだ。でもやっぱりかっこいい)

 スタイルの良い人は、結局のところ何を身につけてもかっこいいのだ。うらやましい。

(私も一応、絵美さんにチェックしてもらったし、大丈夫! のはず)

 スキニーパンツにTシャツをあわせて、ポケットのところに少しだけビジューの付いたパーカーと至ってシンプル。ただ絵美には「ショートパンツくらい履けばいい」と言われたが、さすがに無理だと言って、スキニーパンツに落ち着いた。

 そんなことを考えながら歩いていると、急に手に持った荷物が軽くなる。驚いて後ろを振り向くと大迫が、紗衣の手の荷物を持っていた。

「ひとつ俺が持つよ。重いだろう?」

「・・・・・・ありがとうございます」

 実際のところ、持っていたスーパーのビニール袋の中身は、野菜など比較的に軽いものばかりだったので、わざわざ持ってもらうほどのものでもない
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