御曹司の蜜愛は溺れるほど甘い~どうしても、恋だと知りたくない。~
ガラス戸の向こうからご機嫌で、楽し気な声が返ってきた。
しかも着ているものを脱いでいるのが見えるではないか。
「もしかして一緒に入ろうと思ってます?」
「思ってるよ~っていうか、当たり前じゃん」
ガラリと扉が開いて、裸の始が姿を見せる。当然だが全裸だ。鍛え上げられた体を目にして、
「もうっ……!」
早穂子は顔を赤くしながら慌てて背中を向けた。
「相変わらず照れ屋さんだ」
始はクックッと笑いながら湯船につかる前に、シャワーを浴び始める。
(始さんこそ、相変わらずいきなりなんだから……)
早穂子は照れながらも、始が早々に戻ってきてくれたことを嬉しく思っていた。
「――サホちゃん」
体と髪を洗い終えた始が、湯船の中に入ってくる。
そして早穂子の後ろから体を寄せて、抱きしめてきた。
「俺の足の間においで。ぴったりくっついて……」
始は体の半分が足なのでは?と言いたくなるくらい手足が長く、スタイルが抜群だ。
早穂子の体はあっという間に彼の腕の中にすっぽりとおさまってしまった。