御曹司の蜜愛は溺れるほど甘い~どうしても、恋だと知りたくない。~
「あ……俺、もういきそう……どうしよう……」
早穂子を組み敷いた始が、切なそうに眉根を寄せてため息を漏らす。
ゆるやかに早穂子の中に出入りする始のものからは、切羽詰まった雰囲気はない。
自分を押さえているのだろうか。
彼はいつも早穂子を気持ちよくさせることに気を配っているので、珍しいなと思いながら、早穂子は嬉しくて仕方ない。
彼が与えてくれる眠りも、快感も――本当に好きだけれど。
早穂子が好きなのは、【自分にも始に与えられるものがある】と思えるこの瞬間だ。
「どうしようって……? いいじゃないですか……」
早穂子が吐息交じりに尋ねると、始はクスッと笑って目を伏せる。
「だって……女の子みたいじゃん……さきにいっちゃうの……」
「古風、なんですね……」
「そうかな……」
そう言いながら、始は早穂子の太ももをかかえるようにして肩に乗せ、より深く、早穂子の中に押し入っていく。
「気持ちいいのって、なかなか恥ずかしいな……でもほんと……気持ちいい……」
上気した頬、快楽に濡れた目、男の顔をした始が、上半身を重ねるようにして倒れてくる。
「サホちゃん……キスして」
まるで女の子のように、かすれた声でねだられて、早穂子は無我夢中で始の首の後ろに腕を回していた。