御曹司の蜜愛は溺れるほど甘い~どうしても、恋だと知りたくない。~
「すみません、お待たせしました!」
慌てて彼の元へと駆け寄り、エレベーターに乗り込んだ。
「ミーティングフロアに行くよ」
「はい」
中に乗り込んできた始がボタンを押すと、エレベーターがゆっくりと上昇し始める。
ミーティングフロアは、その名の通り、ずらりと会議室が並ぶフロアだ。入り口にはフリードリンクの自販機と、専用タブレットが置かれていて、どこが現在使用中か確認できるようになっている。
「奥が空いてるな」
始は慣れた様子でタブレットで空き室を確認し、廊下の奥にあるミーティングルームの一つへと向かって行く。
レディーファーストでドアを開けてくれた始に軽く頭を下げ、早穂子も中に一歩、足を踏み入れた。
(そういえば、ここに来るのって、初めてかも)
早穂子はぐるりと部屋の中を見回す。
中には楕円のテーブルと、それを囲むように椅子が四脚あった。
(とりあえず私は、始さんの前に座ればいいか……)
後ろに立つ始が着席するのを見てから座ろうと、横に一歩ズレたところで、
「――サホちゃん」
気が付けば背後から、すっぽりと始の腕の中に閉じ込められていた。