御曹司の蜜愛は溺れるほど甘い~どうしても、恋だと知りたくない。~
(始さん……離れたくない。ずっと一緒にいたい……。ほかの誰にも優しくしないで、私だけを見て、優しくしてほしい……)
早穂子の本心は、口に出せない独占欲で満ちている。
だからこの場では、何事もなかったかのようにささやくしかないのだ。
「――大丈夫ですよ。お仕事は大事ですから」
「そう言ってもらえると助かる。甘えてるとは思うけど……ありがとう」
始はほっとしたように息を吐いて、早穂子の髪を指ですいたあと、頬にキスを落とす。
「必ず時間を作るから」
「――はい」
こくりとうなずくと、始が瞳を甘くきらめかせる。
「だから俺のこと、捨てないでね?」
「なに言ってるんですか……」
思わずあきれ顔になった早穂子に、始がいつもの調子で軽やかに笑いながら、
「いや、今までも結構それで振られててね」」
早穂子の顎先を指で持ち上げて、また口づけを始めた。
繰り返される柔らかなキスの感触に、泣きたいくらい幸せな気分になる。
(私に捨てられるなんて本気で思ってないくせに……ばか……)