御曹司の蜜愛は溺れるほど甘い~どうしても、恋だと知りたくない。~

それからしばらく、お互いの仕事の話や、最近はまっていることなどを話題に話していたのだが、湖にボートが浮かんでいるのを見て、ゆずがソワソワしているのに気が付いた。

(鶴田君とボートに乗りたいのかな?)

だとしたら言い出すのは自分の方がいい。
早穂子は隣に座って、アイスコーヒーを飲んでいた鳥飼に、話しかける。

「鳥飼さん、ちょっと散歩しませんか」
「いいよ。風も気持ちいいしね」

鳥飼はこくりとうなずいて、「じゃあ、一時間後に」とさらりと告げて、椅子から立ち上がった。

「蓮杖さん、行こうか」
「うん」

立ち上がって鳥飼と並ぶと、目の端でゆずが満面の笑顔になっているのが確認できた。
どうやら正解を選択できたようだ。


「連れ出してごめんね」
「いや、いいよ」

鳥飼となんとなく歩道を歩きながら、あたりを散策する。

「鶴田は俺と君をくっつけようとしてるから。これはこれでいいんじゃないかな」
「あ、やっぱりそうなんだ」

早穂子はクスクスと笑いながら、隣を歩く鳥飼を見上げた。

「そうやって口に出すってことは、その気はないんでしょ?」
「君もそうだろ」

鳥飼はわかってるよと言わんばかりの微笑みを浮かべ、「座ろうか」と、ベンチを指さした。
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