御曹司の蜜愛は溺れるほど甘い~どうしても、恋だと知りたくない。~
「ごめんなさい」軽く首を振ると、皆少しだけ笑って、そのまま立ち去っていく。その繰り返した。
途中やってきたゆずに「サホコは無理筋だよって言ったんだけどね。ごめんね」と謝られて、苦笑してしまった。
「なに、無理筋って」
「サホコ、雰囲気あって色っぽいから」
「そんなことないよ」
勝手に良く思われるのはどうも恥ずかしくて、赤面してしまう。
「だから彼氏がいないって聞いたら、もしかしたらいけるかも?って勝手に勘違いして、チャレンジしてるみたいなんだよね~」
ゆずがカウンターの隣の席に座って、オレンジジュースを飲み始める。
「でも、鳥飼さんで無理なら、そんじょそこらの男なんて、どう考えても無理だもん」
ゆずは軽く肩をすくめる。
自分達はきちんと友人関係を保っていて、お互いまったくそんなつもりがないのは、ゆずの目から見ても明らかなはずだ。
「もうそういうことはないって言ったでしょ?」
「うん……わかってる。でも、彼と付き合ったらこれからも四人で遊べると思って……ふたりの気持ち無視してごめん」
しょぼんと肩を落とすゆずに、早穂子は笑って体をぶつける。
「私たちを無理してくっつけなくても、これからも友達でしょ。結婚しても、仲良くしてよね」