御曹司の蜜愛は溺れるほど甘い~どうしても、恋だと知りたくない。~

始はまっすぐに早穂子を見つめる。

夜空に燃える星のように、信じられないほど熱い眼差しだった。

「君に出会うまで、俺は軽薄で、ノリが軽くて、美人が好きで、一緒にいる人を気持ちよくできる、そういう男だった。他人に執着せず、みんなを平等に大切にして、来るもの拒まず、去る者追わずで……。これからも変わらないと思っていた。だから、君と過ごした時間に戻れなくても、あのふたりの時間がなくなったわけじゃない。いつかいい思い出にできるって、そう思っていたのに、忘れられない……! いつまでも、いつまでも、君のことが忘れられない!」

始の慟哭に似た叫びが、1DKの部屋に響く。

「君のちょっとしたおしゃべりとか、笑い声とか、泣きそうな顔とか……。いつまでも宝物みたいに眺めてさ。こんなの『始ちゃん』らしくないでしょ……。もう俺は、君が好きになってくれた、俺じゃないんだよ!」

そして始は、ガタンと音を立てて勢いよく立ち上がった。

「だからもう一度言う! これが俺なんだ! それでも俺を捨てないで! 離れないで! いつまでも困った男だなって、側で笑っていて! ずっと君と一緒にいたいんだ……!」
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