御曹司の蜜愛は溺れるほど甘い~どうしても、恋だと知りたくない。~
それは始からの熱烈な『告白』だった。
駄目で弱い自分を、過去の始なら絶対に見せなかった心をすべて、早穂子にさらけ出した、捨て身の告白だった。
「――」
早穂子は言葉を出せないまま、立ち上がった始の顔を見上げる。
始は「はぁっ……」と深くため息をついて、手の甲を口元に当てて目を伏せる。
「あー……くそ……かっこわる……」
だが始は、笑っていた。
今までの誤魔化すような笑顔ではなく、少しすっきりしたような笑みを浮かべていた。
そして甘い紅茶色の目で、早穂子を優しく見つめる。
「引いた?」
その優しい声色に、早穂子の感情はぐちゃぐちゃにかき回されて――。
ああ、好きだと、思ったのだ。
二年半経った今も、過去にはならない。彼を愛しているのだと、思い知らされてしまった。
だったら自分のやるべきことは、たったひとつしかない。
「もうっ……」
早穂子は唇をわななかせて椅子から立ち上がると、そのまま始の胸に、正面から飛び込んでいた。
「引くわけないでしょう……ばかっ……!」
自分の意志で、彼を強く抱きしめた。
もう二度と離さないと、心に決めて――。