御曹司の蜜愛は溺れるほど甘い~どうしても、恋だと知りたくない。~

それは始からの熱烈な『告白』だった。

駄目で弱い自分を、過去の始なら絶対に見せなかった心をすべて、早穂子にさらけ出した、捨て身の告白だった。

「――」

早穂子は言葉を出せないまま、立ち上がった始の顔を見上げる。

始は「はぁっ……」と深くため息をついて、手の甲を口元に当てて目を伏せる。

「あー……くそ……かっこわる……」

だが始は、笑っていた。
今までの誤魔化すような笑顔ではなく、少しすっきりしたような笑みを浮かべていた。

そして甘い紅茶色の目で、早穂子を優しく見つめる。

「引いた?」

その優しい声色に、早穂子の感情はぐちゃぐちゃにかき回されて――。

ああ、好きだと、思ったのだ。
二年半経った今も、過去にはならない。彼を愛しているのだと、思い知らされてしまった。
だったら自分のやるべきことは、たったひとつしかない。

「もうっ……」

早穂子は唇をわななかせて椅子から立ち上がると、そのまま始の胸に、正面から飛び込んでいた。

「引くわけないでしょう……ばかっ……!」

自分の意志で、彼を強く抱きしめた。

もう二度と離さないと、心に決めて――。

< 257 / 276 >

この作品をシェア

pagetop