御曹司の蜜愛は溺れるほど甘い~どうしても、恋だと知りたくない。~
早穂子はぎゅうっと始の背中に回した腕に力を込める。
「でも、なぜ今日だったんですか?」
なにか大事な仕事でもあったのだろうか。何気なく問いかけると、
「夏川さんの結婚式のことは聞いてたから。君も当然参加するだろうと思って」
「はい……」
当然だ。早穂子はこくりとうなずく。
「参加したら、二次会とかあるだろ? 出会いの宝庫だよね」
「え?」
始がなにを言っているか、よくわからない。
ぽかんとしていると、始は一人でぺらぺらと言葉を続ける。
「君が誰とも付き合っていないのは当然、こっそり調べて知ってたけど、結婚式なんて行くと、同年代の男がわんさかいるだろう。こりゃまずいと思って」
「あの、始さん」
なんだか聞き捨てならない単語が聞こえた気がする。
「だから慌てて」
「始さん! ちょっと待ってください。それ、本気で言ってます?」
正直、彼がそんなくだらない理由で帰国したとはとても思えない。
早穂子は顔を上げて、始を見上げた。