御曹司の蜜愛は溺れるほど甘い~どうしても、恋だと知りたくない。~

「本気だよ。まぁ、そういうきっかけでもないと、帰国する日を決める勇気が出なかった……ってことなんだけど」
「そ……そうですか……」

よかったような、手放しでそうも言えないような、不思議な感覚だが、それで始が決心してくれたのなら、結果オーライなのかもしれない。

そうやって複雑な気持ちのまま、始の胸に頬を押し付けていると、

「早穂子」

始が早穂子の頬に手をのせて、額にかかる髪をそっとかきわける。そして目の縁にうっすらと残る涙を指先でぬぐった。

「こんな俺だけど……君を愛してる。だから俺と結婚を前提に……恋してもらえませんか?」
「え……」

目を何度もしばたたかせながら、早穂子は口をぽかんとさせる。

愛してるから、結婚を前提に恋愛をしようという。

一般的には順番がめちゃくちゃな気がしたが、だが始の言いたいとこはわかる。
勿論早穂子だって同じ気持ちだ。

「わ……私も始さんと、恋が……したいです!」
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