御曹司の蜜愛は溺れるほど甘い~どうしても、恋だと知りたくない。~
建前や条件を言い訳にして、本音を押し殺さなくていいように。
ごく普通の、どこにでもいる男と女として、恋をしたり、ケンカをしたり、してみたかった。
それがささやかで、つつましやかで、でも絶対に叶えることができないと思っていた、早穂子の願いだった。
早穂子の返事を聞いて、始の目がとろけるように甘くなる。
「じゃあ、今度デートしようか」
「デート……?」
「普通のデートだよ。どこかで待ち合わせて……手を繋いで歩いて……海とか行ってさ。えっと、ビーチで、ひとつのグラスにストロー二本差して飲むんだよね?」
始がちょっと照れたように、へへへと笑うので、早穂子も笑ってしまった。
「お言葉ですが、普通のデートで、そんな人見たことないですね……」
「えっ、うっそマジで? 山邑リゾートでは割と定番で、めちゃくちゃオーダーも入る人気商品なんだけど」