御曹司の蜜愛は溺れるほど甘い~どうしても、恋だと知りたくない。~
それから――始は三週間後、正式に日本に帰国して、早穂子と彼はごく普通の恋人同士になった。
(いや、これ普通……なのかな?)
早穂子は狭いベッドの中で、べったりとくっついてくる始の重みをなんとか受け止めながら、彼を見つめる。
「始さん……そろそろ起きないと」
ちらりと枕元の時計を見ると、朝の八時半である。
カーテンの隙間から差し込む朝日がまぶしいなと思いつつ、始の肩を揺さぶった。
「ん……うん……」
始は早穂子を抱きしめたまま、うなり声をあげつつも、目を開ける様子はない。
始は現在ホテル暮らしで、週末には必ず早穂子の部屋にやってくる。
そして早穂子の作る素朴な食事を「おいしい、おいしい」と言って食べた後は、一緒にお風呂に入り、セミシングルのベッドで眠るのだ。
早穂子ひとりならベッドの広さは十分だが、長身の始と一緒だとさすがに狭い。
早穂子はまだしも、ハードワーク気味な始の疲れが取れないのではと心配したが、始は「ぴったりくっつけるからこれでいい」と、さして気にしていないようだった。