御曹司の蜜愛は溺れるほど甘い~どうしても、恋だと知りたくない。~

手早く身支度を整えたところで、麻の半袖シャツとデニムに着替えた始が、ソファーに座って待ち構えていた。

長い足を組んで早穂子を見上げて、

「ワンピースかわいいね。早穂子によく似合ってる」

と微笑む。

腰を引き寄せられた早穂子は、

「髪、少し濡れてないですか?」

と、始の髪に指を入れた。

シャワーを浴びた後、きちんと最後まで乾かしていないらしい。

「外歩いてたらすぐに乾くよ」

以前より短くなった髪は、甘めな雰囲気だった始を精悍でたくましい男に見せてくれる。
どんな姿になっても、きっと早穂子は始が好きだが、これも惚れた弱みなのかもしれない。

「じゃあ、行ける?」

始はくるくると車の鍵を手の中で回しながら、問いかける。

「はいっ」

早穂子は立ち上がった始の手を取り、しっかりとうなずいた。
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