御曹司の蜜愛は溺れるほど甘い~どうしても、恋だと知りたくない。~

意気込む早穂子に、始が唇を少しだけ尖らせながら、拗ねたようにささやく。

「だけど俺は一緒に住んでもいいんだけどな~。そのために広い部屋借りたんだし」
「ふふっ……。でも私、まだ山邑リゾートで働いていたいので」

さすがに自社の副社長と同棲する勇気は、早穂子にはない。

ゆずには話しているがそれだけだ。
そこはきっちり分けておきたかった。

「だよねぇ……はぁ。真面目だなぁ、君は」

始はうんうんとうなずいて、

「まぁ通い愛っていうのも、風流だよね。君の部屋の小さなベッドも、使い方によっては趣があるよ」

始は意味深にくっきりした二重の目を細めて、早穂子の耳元にささやく。

「何度も壁に頭をぶつけて、俺も学んだし?」

彼の言葉に、壁に手をついて早穂子を抱いた、今朝の始の姿が蘇る。

最中は興奮して理性が吹っ飛んでいるのだが、思い返すとやたらいやらしいし、恥ずかしくてたまらない。

「もうっ……!」

早穂子は一気に顔を真っ赤にして、始の胸元をグーで叩いていた。

「あははっ!」

始はケラケラと笑って、機嫌を取るように早穂子の肩を抱き頬を寄せる。
< 269 / 276 >

この作品をシェア

pagetop