御曹司の蜜愛は溺れるほど甘い~どうしても、恋だと知りたくない。~

「だったらその……俺の両親と会ってくれない?」
「――え?」
「さっきの電話、父だったんだ。付き合っている女性がいるって話したら、一緒に食事でもどうかって」

絶句する早穂子を見て、始は慌てたように顔を覗き込む。

「ずっと心配かけてたからね。三十半ばにして、ようやく俺にも大事な人ができましたって、安心させたいんだけど、困る?」
「……始さん」

彼の親しい人こそ、始の孤独を憂いていた。

だから今こそ両親を安心させたいという始の気持ちも理解できるし、同時に彼のご両親の気持ちも痛いほどわかる。

「その……わかりました。ちょっと緊張しますけど」

早穂子は肩に力を込めて、答えた。
始の父親は、山邑リゾートの社長である。だが彼の社会的身分よりも、始の父親だと思う方がよっぽどプレッシャーを感じるが、こればかりは仕方ないだろう。

「よかった……」

ホッとしたように始は息を吐いて、そして早穂子の頬にかかるショートボブの髪を指ですくって、耳にかけた。

「でもまぁ、両親を安心させたいっていうのに嘘はないんだけど、それだけじゃないんだ」
「というと?」
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