側婚
いや……。

「早く結婚したいのに…。
来月まで待たないといけないなんておかしいよ…」

帆乃日達はまだ結婚出来ないのだ…。

「同居を一ヶ月すれば、結婚出来るんだからいいんじゃ…」

一緒に居れるんだから…。

「私が言いたいのは、付き合ってないからって、結婚をさせてくれないのが、嫌なの!!!
なんか私達の愛を疑われているみたいで…」

「疑われてもしょうがないでしょ。
私も疑ったでしょ…」

「そうだけど…。
結は話をしたら分かってくれたじゃない。
私の両親と史人(ふみと)さんの両親は話をしても分かってくれなかった」

史人さんとは、帆乃日にプロポーズした書店員さんの名前で、まだ一回しか会った事がない。

「史人さんって、本当に頼りないんだね…」

史人さんは帆乃日が言ってた通り、ブサイクではないけど、ダサくて、頼りなさそうな人だった。

「結婚するの止めたら?」

結婚するなら、もっと他に良い人が居るんじゃない?

「嫌よ!!
絶対、史人さんと結婚する!!!」

「結婚して、後悔しない自信ある?」

「…ないけど…」

「なら…」

「確かに頼りないから、将来は後悔してしまう事もあるかもしれない。でも今は、史人さんと結婚しなかったら、絶対に後悔する!!!
絶対に!!!」

本当に…好きなんだね…。
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