側婚
「なら、すぐにでも結婚すれば?」

「だから…出来ないじゃん!!!
来月まで待たないと…」

「来月までおとなしく待つの?
待つだけで、何もしないの?」

「待つ以外に何が出来るのよ!!!」

「話をすれば良いじゃない!!!」

「話はしたって…」

「一回だけでしょ?
またすれば良いじゃない!!! 何回も、何回も、結婚を認めてくれるまで、話をすれば良いじゃない!!!
私も…。
私も一緒に話してあげるから!!!」

「…結……」

「ほら、私達も付き合ってないけど、結婚したじゃない? だから、結婚しても大丈夫って事を話せば、結婚を認めてくれるかも…」

「結!!!」

ギュッ。

私の首に両手を巻きつけて、抱きついてきた帆乃日。

「帆乃日…」

帆乃日が抱きつく時はいつも…。

「ありがとう…。
ありがとう…」

いつも……。

「ぅ……うぅ……」

泣く時だ……。

「ううう……」

そんな時にいつも私は…。

「うぅ……ぅううう…」

何も言わず、ただ帆乃日の背中を何回もさする。

何回も…何回も…何回も…。


涙が止まるまで……。
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