ひとりぼっちの夜は、君と明日を探しにいく

結局そのあとすぐに他の仲間たちと合流して、
安田の告白は流れてしまった。

花火が終わって人の波も穏やかになってきた頃に俺たちも解散することになった。

『詩月、今日もうちに泊まる?』

岡田がイカ焼きを食べながら聞いてきた。


『あー、今日はいいや』

『ん、了解』

ずっと頭では家のことが気になって仕方がなかった。

暖炉の火はどうなったんだろう。家の中は煙だらけにならなかったんだろうか。

それを確かめるために俺は自分の家へと向かっていた。スマホはやっぱり大人しいまま。

【今日の夜は家に帰ってきてください。ちゃんとこれからのことを話し合おう】なんて、メールをしてきたくせにそれについても音沙汰はない。

もしかしたらついに堪忍袋の緒が切れて俺を見切ったという可能性もある。どっちにしても落ち着かないから、この目で確かめるしかないと思った。


家が近づくにつれて夜なのに気温が上昇してる気がした。この無駄に長い坂道のせいだとその足を前に進ませる。

いつもは木々の揺れる音しかしないはずなのに、どうしてか別の音が混ざって聞こえた。

バチバチとなにかが崩れる音。
鼻の奥を刺激する焦げた臭い。

花火は終わったはずなのに周りが明るくて、空が夕焼けのような色をしていた。

俺は足を止めた。そしてゆっくりと家を見る。

これは現実なのか、夢なのか。

視線の先にあるはずの家が真っ赤な炎に包まれていた。 
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