【続】清華魔法学園〜未来選択編〜
あぁ、そうだ。
何でこんな大事なことを忘れてしまっていたのだろう。
「紗久が目を覚まして生きていること、俺たちがあの日の続きを生きていること、これが今感じている違和感の正体だよ」
「………」
ゆっくりゆっくり悠の言葉が俺の中に入り、状況を理解させていく。
この違和感の正体を。
「それでも。どんな形でも。紗久が目の前で生きている。俺はそれだけで……」
何年待ったんだろう。
紗久が目を覚ますことをどれだけ待ち続けたのだろう。
言葉が震える。
今起きている奇跡に気づき、全身がその奇跡に感謝し、喜びを感じている。
「俺は生きていける」
力強く言葉を、想いを、俺は発した。