ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー

「そうだな、ごめん。茜に心配されてるって思うと嬉しくなってしまった」


「し、心配なんてしてないし。そんな顔じゃ出かけられないんじゃないかと思っただけよ」


嬉しいなんて言われて、どんな反応を返したらいいのかわからない。


戸惑いの方が大きくて、可愛げのないことを言ってしまう。


「いや、大丈夫。コーヒーでも飲んで目を覚ますよ」


立ち上がってコーヒーを入れにいく背中を見ながら、

私はなんとも言えないモヤモヤとした気持ちに胸を覆われていた。


そこまでして出かけたい理由があるのだろうか。


体調がすぐれないのなら、予定を変更して家にいればいいのに。

< 190 / 445 >

この作品をシェア

pagetop