ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
崇さんはお茶を飲みながら、うなずく。
「うちさ、親が共働きなうえに、オレが小学校に上がる頃に母親がこの会社を興したものだから、とにかく忙しくて家事どころじゃなかったんだよ。毎日スーパーのお惣菜とか冷凍食品とかで」
「え」
「でも、一人でそんな食事とっても味気なくて。それで、レシピ本を買ってもらったり、テレビの料理番組を参考にして、母親の代わりに料理をやるようになったんだ。
両親が美味しいって笑って食べてくれると嬉しいからさ、料理が楽しくなったんだ」
「なるほど」
「で、調子にのった母親に掃除や洗濯も仕込まれて、家事は全部押し付けられて」
一転してトゲトゲしくなった口調とその内容に、頬が引きつった。