君がいなくなって
「祥太郎?」

そーちゃんが顔を覗き込むと。



『そーちゃん』

祥太郎くんの、話し方はまるで…



「拓海くん?」

私は思わず声を上げた。



祥太郎くんはうっすら口元に笑みを浮かべ、

『コイツの身体、案外しんどい…』

手を何度も握って感触を試していた。



『お腹の子供は順調そうだね』



「拓海…?」

そーちゃんも驚いた様子で祥太郎くんを見つめる。



『そーちゃん、真由ちゃんと子供を引き取ってくれてありがとう』

話し方が明らかにいつもの祥太郎くんらしくない。



『真由ちゃん、ごめんね…』



ああ…

謝り方が、拓海くん。

私の目から涙が一筋こぼれた。
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