旦那様は甘くて意地悪
「どうした円?式場に行ってから顔色が悪いけど。さっき階段から落ちそうになったのが怖かったか?」
直樹さんは心配そうに私を見つめる。
「ちょっと疲れただけですから平気です」
直樹さんに心配はかけたくなかった。
これからどうしたらいいんだろ私……。
次の日の朝。
直樹さんを見送ると、掃除をした。
何かしなければ、色々と考えてしまうからとにかく動きたかった。
最後に直樹さんの仕事部屋を掃除していた時に、クローゼットが開いていたから閉めようとしたら、箱が見えて少し開いていた隙間から、写真らしき物が見えた。
勝手に見るのも悪いと思いつつ、私はその箱を手に取りに写真を見ていった。
上から順番に見て行くと、学生時代の写真もあり、その中の一枚を見て釘付けになった。
だってその写真は、私が通っていた高校と同じ制服の物もあり、そしてジャージを来ている写真があって、そこにはあの時に図書室で出会った彼の姿があった。
やっぱりあの時の初恋の彼は直樹さんだったんだ。
名前もしらない彼に恋をして、あれから数年後に許婚として私の目の前に現れるなんて、そんな事って小説やマンガ、テレビドラマの世界だけだと思っていた。