旦那様は甘くて意地悪



その日の夜。


「直樹さん、ごめんなさい」


私は寝室のベッドの上で直樹さんに謝った。


「えっ、どうしたんだよ?」


「実は……直樹さんの写真を見てしまったの」


「写真……?って、あぁ……」


「図書室で私が椅子から落ちそうになったのを助けてくれたのが直樹さんだったんですね?」


暫く無言だった直樹さんはコクリと頷いた。


「俺さ、あの日に図書室で円に出会った時は本当に運命だと思った。許婚が居るって聞かされたのが円に出会う一ヶ月前でしその時は許婚なんて嫌だったし、誰が結婚なんてって思ってたんだ。だけどあの日……図書室に行ったら円が椅子から落ちそうになってて、危機一髪で支える事が出来たけどさ、眼鏡がなくて困っていた円を見た時に、凄く綺麗な顔に一目惚れしたんだ。前髪は長かったし、眼鏡をかけると印象もガラリと変わって地味だけど、そのギャップにまた惹かれた。名前を聞いたら許婚の名前と一緒だし、運命としか思わなかった。だから親に言われた通り、今すぐ想いを伝えたい気持を抑えて、大人になって円を必ず迎えに行く為に頑張ろうって決めたよ。恥ずかしいな俺。それに円を溺愛している円の兄貴は妹の存在すら教えてくれなかったしな」


直樹さんは少し照れながら言った。


あの時から変わらず私を想ってくれていたごとが嬉しくて、直樹さんが私に対する想いは嘘でもなく本物なんだと確信できた。




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