旦那様は甘くて意地悪
「どうして……チャペルで待ってるはずじゃ」
「嫌な予感がずっとしていた。心配かけたくなかったから円の前では普通にしてたけど、昔と何も変わってないんだな……。俺と付き合った奴とか、仲良くしていた女とかにお前が酷い事してたの全部しってるから。確かにお前が俺に対する気持は知っていたし伝えてたけど、俺はお前を妹みたいにしか見れなかったから距離を取るために離れた。今までの事も許したわけじゃないし、こんな酷いことをするような奴なんて好きになるかよ。円から離れろ!」
すると彼女はその場に座り込んだ。
そのまま直樹さんは私を抱きかかえてチャペルに向かう。
「せっかくの結婚式に怖い思いをさせてごめんな。だけど俺が忘れさせてやるくらい円を幸せにするから」
そう言ってチャペルに着くと父と一緒に入場する筈が、抱き抱えられたままの入場となり、周りから拍手で歓迎される事となった。
無事に挙式も披露宴も終わり、控室で着替えを済ませた時に、幼なじみの彼女が部屋にやってきた。
「先程は申し訳ございませんでした。この仕事が好きなのに、幸せを壊そうとしてしまって……。ずっと好きで諦めた筈なのに、会って気持が膨らんでしまって、あなたが憎かった。過去もそう、どんなに好きだってアピールしても、気持ちを伝えても相手にすらしてもらえなくて、彼女や近づく女が許せなくて、こんなに近くにいて私の方が直くんの事が好きなのにと思うと感情が抑えられなかった。酷い事をしたと思う。だから相手にされなかったかもしれない。だけど直くんにハッキリと言われて諦めがつきました。直くんよりも素敵な人を見つけて、私も幸せになります。本当にごめんなさい」
そう言って彼女は部屋から出て行った。