ちび太とゴリさん。


「次の人〜!!学校入ってー!」



数分置きに校内へ入っていく。



「じゃあ、次は宇佐美さんと青柳くんペア入って!」



委員長に名前を呼ばれ、ちび太の肩がビクッと動いたのを見逃さなかった。



「...始まっちゃうよ......」



「ほら行くよ。さっさと行って帰ってくるよ」



周りに聞こえない声の大きさで会話をする。

でも、どうにもちび太の足取りが重たすぎて、なかなかスタート位置につけない。

そのおかげで、まだかまだかと私達に注目が集まる。



「うぅ...」



隣からは今にも泣き出しそうなのを我慢するアイツの声が微かに聞こえる。



「妃ちゃん大丈夫??」



「怖いよね...私も頑張るから、妃も頑張って?」



「あっ...うん...」



葉月と唯斗は私が怖がっていると勘違いしたみたい。

< 111 / 112 >

この作品をシェア

pagetop