イケメンエリート軍団?何ですかそれ⁇
ジャスティンはショッピングモールの駐車場で、木の実が戻って来るのを待っていた。
あのワンピースは一目見て気に入った。
淡いブルーと濃い色のブルーのコントラストが、目鼻立ちがはっきりしている木の実の顔に絶対映えると思ったから。
そして、ジャスティンは一年前の会社での出来事を思い出していた。
その時の同僚の凪が、事務職で入って来た女の子に超高級スーツをプレゼントした。
凪がそんな事をすること自体が信じられなくて、恋は盲目とかあの子に首ったけとか、そんな言葉って本当に存在するんだと知った。
でも、今の俺は、あの頃の凪を超えているかもしれない。
恋は盲目とは、まさに今の俺の事だ…
「ジャスティン」
背後から名前を呼ばれたジャスティンは、そこに木の実が立っているのが分かった。
もう心臓が飛び出しそうだ。
ジャスティンは動揺を悟られないように、後ろを振り返る。
恋のキューピットというものが本当に存在するのなら、今、俺はきっとキューピットの天使とやらに囲まれているだろう。
「サイズもピッタリで、もう、凄く気に入った。
ジャスティン、本当に頂いていいの?」
ジャスティンは頷く事しかできなかった。
髪を下ろし、ブルーのワンピースを着た木の実から目が離れない。
小さな顔に真っ直ぐに伸びた白い足、少し濃い目のルージュを引いた木の実は本当に綺麗だった。
「私の人生の中で、今、夢みたいな事が起こってる。
神様は私に、最高のドキドキ感と恋する幸せを与えてくれたみたい」
木の実が肩をすくめてはにかんで笑った。
その時、きっと、俺の周りを囲んでいた恋のキューピットが一斉に矢を放った。
俺のハートは、一本どころか何十本もの矢を受けて喜んで破裂する。
きっと、今の俺は凪どころの騒ぎじゃない……