秘書と野獣
姉妹揃ってふふふと微笑み合っていたところでインターホンの音が響いた。
「…あれ? 誰だろう」
「旦那さんが帰ってきたんじゃないの?」
「んーん、今日はどんなに早くても5時は過ぎるって言ってたし、亮さんは帰る前に必ず連絡してくれる人だから。ちょっと行ってくるから待っててね」
「うん」
パタパタと玄関へと向かった莉緒を見送りながら、私達の隣に置かれたベビーベッドへと視線を移す。可愛い天使の寝顔を見せる赤ん坊が、おっぱいの夢でも見ているのだろうか、ふくふくと時折頬を動かす仕草が堪らなく愛おしい。
「かぁわいいなぁ~」
妹の子ですらこれだけ可愛いなら、自分の子どもは一体どれほどになると言うのだろう。
赤ちゃん……いつかは私達にもできるのかな。
いや、いつできてもおかしくないような日々を送ってるんだけども。
いつかは私が猛さんの赤ちゃんを…?
「わわわっ、顔熱っ!!」
急激に熱を持ち始めた顔をパタパタと仰ぐ。
「あれ、おねえちゃんてばなんで赤くなってるの?」
「あ、違うの、これは_____」
ちょうどそのタイミングで戻って来た莉緒にどう言い訳しようかと顔を上げたところで、莉緒に続いて部屋に入ってきた人物に言葉が止まった。