秘書と野獣

「あ、そうだ。ちょっと待ってろ」
「え?」

思い出した様に一旦車に戻ると、猛さんは何かをその手に提げて戻ってきた。

「これ、今日仕事で会った人にもらってな。うちだけじゃ食べきれねーからお前にもやる」
「えっ、これ、なんですか? ……!!」

受け取った袋の中身を確認するなり、何故か目を丸くした莉緒がパッと顔をあげて私を凝視する。
かと思えば、次の瞬間プッと吹き出して大爆笑を始めた。

な、なにごと?!
当然私と猛さんは意味がわからず完全に置いてけぼり状態だ。

「あっははははは! やばい、ツボに入ったー!」
「ちょ、莉緒? 全然意味がわかんないんだけど!」
「だっ、だって…! 見てよ、これっ…!」

ヒーヒー言いながら差し出された袋の中を顔をしかめながら確認すると___

「ぶふっ!!」

たまらず私の口からも破裂音が出てしまった。

「おい、お前ら何笑ってんだよ?」

ますます猛さんだけが怪訝そうにしてるけど、おかしくって今すぐに説明するのはムリ!


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