誰かを護れる、そんな人に私はなりたかった。



【……お前は、生きろ……ッ!!
こんな、俺に……幸せをくれ……て、ありが…とう…ッ。
愛して……る……っ……。】








呉都さん……ちゃんと届いたよ……。



感情が波のように押し寄せてきて……でも、その中に光るたった一つの大切な想い。



絶対に手放せないもの……。



大丈夫、ちゃんと掴んだ。



これがあれば……私は迷わずに戦える。








【泣いてんじゃねぇよ。】








呉都さんの声が聞こえた気がした。



まったく……無責任なんだから。








「来都。
私の……私"たち"の最後の戦いといこうか。」



「……あぁ。」



その日はもうすぐそこまで来ている。















来都と校門目掛けて歩いていたら、校門の影から誰かが現れた。



それはフードを深く被った……








「……何の用だ、帝王。」








私を背に隠すように立つ来都。



あの日、一度も声を聞くことのなかった第六神賢者……。



そして皇帝とはまた違う雰囲気を醸し出した人。



帝王は来都の問に答えることなく、私の方を向いた……気がした。



「……私に用があるの?」



そう聞くと、帝王は無言で頷いた。



「……それを素直に聞くと思うか、皇帝の犬が。」



来都の言葉に、少し悲しそうな雰囲気がした。



それにしても……何で何となく分かるんだろう……。



「……大丈夫。行こう。」



他の人とは違う帝王が少し気になった。












少し歩いて着いた場所は、遊具が数える程しかない小さな公園。



なんだろう……。



ここ、初めてじゃないような……。



「……それで、真琴に何の用だ。」
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