誰かを護れる、そんな人に私はなりたかった。
〈……遅れた。〉
思考を現実に引き戻す。
〈別にいいわよ。
約束なんかしてないじゃない。
ただ、ココに貴方が来るような予感がしたからいただけ。〉
〈……そう。〉
それから、無言で私の横に座る……黒リス。
〈あれから……まだ何も起きてないわね。〉
〈……あぁ。〉
〈……本当に変わるのかしら。
私たちが見ているこの未来は……。〉
〈……信じるしかない。
そう言えば、この間君の契約者に会った。〉
真琴に?
少なくとも、私が真琴といる時には有り得ない。
となると……。
〈……学校で?〉
〈……理解が早くて助かる。〉
〈あまり大胆な真似はやめなさいよね。
どこから綻びが出来るか分かったものじゃないわ。〉
偶然、なのかしらね。
でも、それでも私のすべきことは何も変わらない。
〈……僕は、契約者のことを見守るだけ。
僕たちは、そうするしか出来ないから。〉
そう。所詮私たちは何も出来ない。
__________を知っている私たちには。
でも……。
〈そうね。私はあの子たちを信じるわ。〉
〈……僕も。〉
私たちは、傍観者。
〈私たちは、あの子たちのことに何も口を出さない。
あの子たちの時間が進んで、真実が分かる時まで。それでいいわね?〉
〈……あぁ。〉
1つの約束を交わし、私たちは別れた。
全ては、あの子たちが自分で掴まなければいけないのだから。
end